デジタル地の塩

校長通信

2018/12/20
もう一つの贈り物 ~term4終業にあたって~

“Maybe the hairs of my head were numbered,
but nobody could ever count my love for you.”

クリスマスが近づくと,オー・ヘンリーの短編集を思い出す人が多いことと思います。私もその一人です。かつて,中学校の英語暗唱大会でもこの物語を発表した人もあったように記憶をしているのですが,その短編集の中でも有名なのが,「賢者の贈り物」です。物語の内容を知っている人も多いと思いますが,簡単に触れておきましょう。
貧しい若い夫婦が,クリスマス・イヴに互いに何か素晴らしいプレゼントをしようと考えました。夫は,妻の長く美しい髪にぴったりの美しい櫛を,妻は,夫が祖父と父から受け継いだ大切な金の懐中時計につけるプラチナの時計鎖を買うことにしたのでした。しかし,何しろ貧しくてお金がない。そこで,妻は,自分の美しい長い髪を切ってそれを売り,時計鎖を買いました。夫は自分が大事にしている懐中時計をお金にかえて,櫛を買うことにしました。「きっと大喜びをするに違いない」と家に戻った夫は,短くなった妻の髪型を見て,唖然とするのでした。それぞれが用意したプレゼントは,ムダになってしまったのでした。妻の美しい髪の毛はなく,夫の懐中時計もなくなっていたからです。
さて,その結果二人はどうなったと皆さんは思いますか。「なんて愚かな二人なんだ」と考える人もいるかもしれません。物語の最後はこうです。
“Let’s put our Christmas presents away and keep them a while.
They are too nice to use just at present. ”
二人は用意したプレゼントをそっとしまい,互いに心安らかなクリスマス・イヴの時間を過ごすのでした。
二人が得たのは形ある物ではなく,自分の最も大切な物を犠牲にしてまでもお互いを喜ばせようとした「思いやりの心」だったのです。冒頭の英文は妻が語った言葉です。「形あるものは数えることはできるけれど,愛は計り知れない。」何よりも大事なものは「物」ではなく,「お互いを思う心」だったのです。
「神はそのひとり子をお与えになったほどに,この世を愛された。独り子を信じる者がひとりも滅びないで,永遠の命を得るためである」。ヨハネ3:16
と聖書にあります。クリスマスはイエス・キリストの生誕を祝う日であり,私たちに豊かな命を与えていただいたことに感謝する日でもあるのです。そして,与えていただいたもう一つの贈り物は,私たちの愛する家族であり,互いに「思いやりの心」で支え合う仲間たちだと,私は思っています。
さて,明日12月21日のクリスマス礼拝をもって,term4が終了します。そして,2018年が終わります。この1年,皆さんはどう過ごしたでしょうか。年の初めの目標は達成できたでしょうか。私の目標は「創める(はじめる)」だったのですが,なかなか難しい目標でした。途中で挫折したり,辛く苦しい日もあり,決して順風満帆な一年ではなかったのですが,仲間に支えられ,忘れがちだった「大事なもの」「お互いを思う心」を再確認した一年でもありました。皆さんはどうでしょうか。「自分を好き」になれた一年だったでしょうか。目標は達成できなくても,それに向かって努力する姿勢が最も尊いのかもしれません。今年も残り10日間,今一度振り返る時間を持ち,新しい年を迎える準備をしましょう。term4の終業にあたり,自分ができる最良の「贈り物」を探してみませんか。

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学校法人ヴォーリズ学園 近江兄弟社中学校 EVENT MOVIE
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