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デジタル地の塩

校長通信

2018/10/26
黄葉(こうよう)の季節 ~term4の始業にあたり~

私の住んでいる街の通りには,500~600mにわたってイチョウの街路樹が植えられていて,今の季節になると黄色に色づきはじめます。我が家から駐車場までの100mの間にはこの街路樹の他に,各家庭の庭に様々な木々が植えられています。中でも大きく目を引くのがクスノキとカツラの木で,いずれも大木です。クスノキは常緑広葉樹,カツラは落葉広葉樹,沿道に張り出したカツラの木の枝が時には雨宿りの場所にもなっているのですが,今は黄色く色づき落葉が始まっています。二階建ての屋根を越す大きさで,そのお家のシンボルツリーとなっています。丸くハート型の葉が春から秋にかけて新緑から黄葉へと変化し,通るたびに心を癒やしてくれています。イチョウもカツラも秋が深まると黄色に変身する,紅葉ではなく黄葉(こうよう)です。カツラの黄葉は甘いにおいを放つのですが,今朝校長室前にいる中学1年生に聞いたところ,「綿菓子のような匂い」という答えが返ってきました。醤油の匂い,キャラメルの匂いとも言われますが,慌ただしい朝の時間にカツラの木の下を通る時は,ホッとする瞬間でもあります。黄葉するのは黄色に変化するのではなく,元々葉にはクロロフィルという緑の色素とカロチノイドの中のキサントフィルという黄色の色素が含まれていているのですが,秋になって日照が少なくなり光合成をしていたクロロフィルがその役目を終え,葉の中で別のものに分解され吸収されるため,緑色の色素だけが抜けて黄色が目立つようになるからなのです。(赤色に染まる葉は,別にアントシアンという赤色の色素が秋につくられるために赤色に染まるのです。)
落葉とは少しもの悲しい感じがするのですが,葉を落とし厳しい冬をむかえるためにじっと待つだけではなく,新しい葉を芽ばえさすために春の支度を整えていると考えると感じ方も変わってきます。落葉広葉樹にとって,秋は新たなスタートを切るための準備の期間であり,次世代へつなぐバトンタッチの時期でもあります。学園の中庭にはユズリハという常緑広葉樹が植えられています。この植物は秋に紅葉はしないけれど,6月~7月に新しい葉ができあがってから古い葉が落葉します。次の世代が育つまで栄養を補給し続け,初夏に交代を遂げる。まさに『譲り葉』という名前がついたわけです。
今日からterm4が始まります。教会礼拝で始まりクリスマス礼拝で終わるtermで,2018年度の後半のスタートの時でもあります。生徒会では新旧交代の準備が始まるときで,残りの3~4ヶ月間で先輩から後輩へとしっかり兄中の伝統を引き継ぎ,受け継いで欲しいと思います。また,学期休み期間中に行われた面談で,前期の反省と後期への課題が示されたことと思います。今日は『折り返し』というよりはまだまだ『中間点』,ゴールを目指して自分の課題を成し遂げる学期にして欲しいと思います。

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