デジタル地の塩

校長通信

2017/10/19
蓄えること,そしてそれを有効に使うこと ~term3の終業にあたり~

先日,テレビで「ブラタモリ」という番組を見ました。この番組は私のお気に入りの番組なのですが,いつもこの放送を見る度に,出演しているタモリさんが羨ましくてたまらないのです。テレビ番組の仕事で,色々なところに行って知識が深まったり,自分が抱いていた疑問が解明されるというのですから,ギャラは要らないから自分が代わりに出演してみたいと思う唯一の番組です。前回と前々回は富山県の立山連峰の一角にある「黒部ダム」を中心にロケが進められました。
北アルプスの立山連峰と後立山連峰にはさまれた黒部渓谷にある黒部ダムは,今から60年前の1956年に着工され,171人の殉職者と7年という歳月をかけて,1963年に完成しました。いまでも高さ日本一を誇る巨大なダム,日本人の叡智を結集してつくられた奇跡ダムといわれています。このダム建設の目的は,もちろん水力発電で電力を関西圏に供給することでした。貯水量2億立方m(東京ドーム160杯分),545mの落差で発電し,完成当時,大阪府の電力需要の50%(25万kW)を賄ったといわれています。戦後の経済成長の大きな立役者になったことは言うまでもありません。
今年,私は後立山連峰に行きましたが,こんな深い谷底によくダムの建設ができたものだと感心せざるを得ませんでした。黒部ダムの建設には,多くの殉職者が出たことや破砕帯での難工事などが,映画にもなってよく知られていますが,人間の力と叡智,技術力を結集して,アーチ式と重力式の両方を重ね合わせて建設されたダムであることを,この番組で改めて確認することができました。
60年経った現在でも,このダムから供給される電力は建設当時より増えて,最大出力33万5千kW,年間発電量は約10億kWhで,その電力により関西に住む私たちの生活が豊かに支えられているのです。豊富な雨水,雨の少ない夏には冬に降った雪からの融雪水。人間の築き上げたダムによって蓄えられた自然の恵みが電力という形に変えられて,人々の生活に活かされていることを考えると,先人達の知恵と努力に感謝せずにはいられません。
さて,今,私たちは学校という学びの場において,ひとり一人の頭や心の中の貯水池に多くの蓄えをしている真っ最中ではないかと思うのです。恵みの雨や厳しい冬の雪に変わるものは,教科の学びだけにとどまらず,生徒会行事や礼拝行事,ボランティア活動などたくさんあり,それらを蓄え続けています。今のうちにたくさんの蓄えをし,社会に出た時にみんなの生活が豊かになるような使い方ができれば素晴らしいことだと思います。
今日でterm3が終わります。2017年度の前期の終了の時です。また,2017年度の折り返し点でもあり,大きな節目の時でもあります。このあと,前期の成績も手渡されると思いますが,4月から始まった今年度の皆さんの学習や学校生活の中間評価となります。
たくさんの蓄え,たくさんの学びはできたでしょうか。土日を含めて5日間の学期休みがあり,1,2年生の人は秋季中体連の大会があり,個別の面談も実施されます。3年生の人は,学びの総まとめの時でもあり,これからの進路に向けた面談も行われます。是非この期間にこれまでの学習の振り返りや,学校生活の振り返りをし,後期に向けての準備を進めて欲しいと思います。それでは,一週間後のterm4始業式に,新たな決意を胸に秘めた皆さんとお目にかかりましょう。

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