デジタル地の塩

校長通信

2017/07/19
世界が最も必要としているのは「あなた」

ある雑誌を読んでいた時に,「世界が最も必要としているもの」という表題の文章が目にとまりました。 6月24日に全国公開された映画「ハクソー・リッジ」の主人公デズモンドの生き方について書かれたものでした。「ハクソー・リッジ」というのは,第二次世界大戦の激戦地・沖縄の前田高地のことで,「ハクソー」とは「のこぎり」,「リッジ」は「崖」を意味します。断崖絶壁の崖が,のこぎりのように険しくなっていたことからこの名前がつけられました。多くの死者を出した壮絶な戦いの場として知られています。前田高地のある浦添市(当時の浦添村)での日米両軍の戦闘は非常に激しく,非戦闘員である住民も当時の人口の45%にあたる4,112人が亡くなっています。そのような過酷な戦場「ハクソー・リッジ」の地で,主人公のデズモンド・ドスは武器を持たずに,たった一人で75人の命を救ったという実際の人物の物語です。銃も手榴弾もナイフさえも,何ひとつ武器を持たずに激戦地を駆けまわり,重傷を負って倒れている敵の日本兵にも手当てを施しました。なぜ,彼は武器を持つことを拒ばみ,命を救い続けたのか? 彼の戦いは,「敵のいのちを奪うのではなく,すべての兵士達の命を救うための闘い」だったからでした。最後には,自分自身も負傷しながらも自分より他の負傷したものを救出して欲しいと訴え続けたそうです。人の命を奪い合うことが戦争であり,愛する人や家族の幸せを奪い,今まで築き上げたすべてのものを奪い,人々の未来を奪うことが戦争です。そんな戦争に立ち向かい,武器も持たず人の命を救う闘いをした主人公の実話に基づいた文章から,私たちがなすべきことは何かを問われている気がしました。
今日,私たちは平和礼拝で映画「月桃の花」を見ました。沖縄の人々から見た沖縄戦です。住民を巻き込んだ悲惨な戦争です。本校では,2年生の冬に沖縄研修旅行を実施していますが,摩文仁の丘にある「平和の礎」を訪れます。その礎には,今年新たに追加された54人を含め,日本人226,881人と外国人14,587人の戦没者の名前が刻まれています。青い海が広がる美しい沖縄で,72年前にお互いの命を奪い合うために繰り広げられた悲惨な戦争を私たちは忘れてはならないし,二度と繰り返させてはならないと心に誓わなければなりません。「剣を打ちかえて鋤とする」,そのために私たちにできることは一体何か,と考える時を是非持ってほしいと思います。一昨日亡くなった日野原重明さんは,日頃より「人間同士の争いで大切な命を失うことがあっては決してならない。あなたも自分の命を誰かのために,勇気をもって使ってほしい」と呼びかけられていました。
皆さんも,世界が最も必要としている「あなた」をさがしてみませんか。
さて,今日,term2の終業日をむかえました。明日から中体連夏季大会,コンクール,夏期学習会と続きますが,term3までの27日間の夏休みが始まります。クラブで思いっきりがんばって汗を流すこともいいでしょう。日頃できないことにチャレンジするのもいいでしょう。だらだらと夏休みを過ごすのではなく,ひとり一人が計画的で健康的な夏休みを過ごして欲しいと思います。term3の始業日には,元気でひとまわり成長した皆さんに出会えることを楽しみにしています。

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