いのちの光 学園牧師のメッセージ

メッセージ

2015/02/08
~『失敗者の自叙伝』 に学ぶ~ (8)

「大学での自炊生活」
コロラ ド・ カレッジに入学したヴォーリズは、 大学近くの住居を借り、 親友と自炊生活の経験をします。 自炊生活は、 彼にとって全く苦になるものではなかったようです。 すでに少年時代からアリゾの自然の中で、 家族でキャンプをし、 知恵と工夫をこらして食事のまかないの経験をしていたからです。 また、 小さいときから母親の手伝いをしていた経験も、 大学での自炊生活に活かされたのです。 自炊生活によって卵の新しい調理法を発明したことも誇り高く自叙伝には記されています。その調理法が詳しく記されています。  日本に来てからもおなじ料理をして、 もてなしたところ大人気であったことも記されています。
自分の食に関しては、 自分でまかなうことができることに注目したいものです。 自分で創作料理ができることは、 自分らしさの表われであります。考える力、個性、生きる力の現れでもあります。自分の食に関して、 栄養バランスを考えながらの自炊生活は、 まさに創造的な働きです。 自分の身体の健康維持は、人任せでなく、自分でする。 ここでも、教育の本来の働きに気づかされます。 自分で考えること、 自分で思考すること、 自分で実験し、体験することが教育本来の働きであると示唆を与えられます。
ヴォーリズは、 イースト・デンバー高校生活では、 課外活動を通して多くの経験と学びをしています。 一日中、教室に閉じこもって、座学するのではなく、 自分の頭で考え、 自分で様々な体験をする学びを重ねて行ったようです。 その一つが先述した 「水中でのえんどう培養実験」 でした。 この 「水中でのえんどう培養実験」 は、 教師の教えや伝達される知識を覚えることだけでは、 新しい発見はなされないとの教訓を得ます。
コロラ ド・ カレッジ時代には、 さらに自発的、 活発な学生生活を送ったようです。 その一つに文芸クラブでの熱心な活動が挙げられます。そのクラブの主な活動は、討論会でありました。そこで、自分の意見や考えを人々の前でしっかりと披露する力をつけたようです。 最近、  日本の高校でも、「ディベイティング」 の授業が盛んになってきたようですが、 まさに、 自分の意見や考えを、 自分の言葉で表現し、相手に明確に伝え、 議論を深める力を養うことは、 地球規模のグローバル国際時代には、欠かせない学びであります。
自立した生活のための学び、 他者と共に働くための協同の学び、 自分の頭で考え、 自分の意見や考えを表現し、 相手に理解をしてもらう訓練、 そして相手の考えを受け止め理解する力を養う学び等々、 どう しても教室内の教師主導の学びだけでは果たしえない課題なのです。
未来を創造する教育改革には、 「前例がない」 という逃げ道はないのだと考えます。 勇気ある 「前人未踏の改革」 が今、 教育界に求められている緊急課題だと考えます。

「専門家はあまりに多くのことを知りすぎているので、 彼らは、 自分たちの理論や原則によって、そういうことはできないと容易に判断する。 ところが、素人には、 それがわからない。 だからできるかどうかやってみて、 できるということを発見するのである」(ヴォーリズ)

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