学園

いのちの光

2018/12/03
いのちの光 『クリスマスを祝う』(Celebrating Christmas)

学園牧師 浅居 正信

 

天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。」

                              新約聖書 ルカによる福音書 2章10〜11節


クリスマスおめでとうございます。

クリスマスは、プレゼントをもらう日として、人にしてもらうばかり考えていませんか? クリスマスは逆に、こんなことをしてもらいたい!とあなたが思うことを誰かにする日でもあります。クリスマスは、貧しい家畜小屋で生まれたイエス・キリストを思いおこし、困難な中で生きている人がいること、弱さを抱えている人たちがいること、互いに仲良く平和に暮らすことを考える日。そして神さまに感謝する日なのです。

さて聖書には、救い主イエス・キリストの誕生を、星が知らせたと伝えています。そしてキリストの誕生の知らせは、この当時の社会の底辺に生きていた羊飼いに天使によって知らされたと聖書は記しています。天使は言います。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。」と。イエス・キリストは、希望を見いだせない世界に、喜びを告げる希望の光として誕生したのです。暗闇の中に輝く希望の光として与えられた一つの命は、やがて人びとの救いとなりました。

文明が進んでも、人が宇宙に行けるようになっても、私たちの世界は様々な問題が山積しています。北海道出身の宇宙飛行士、毛利衛さんは、「今回の宇宙旅行で痛感したのは、地球の小ささ、そして、生命を育む空気と水の大切さでした。地上ではいろいろと人間同士の争い事がありますが、宇宙から見た陸地には国境は一切ありません。これからは人類だけでなく、他の生命、動物や植物も一緒になった地球の環境というものを守っていく必要がある。私は、宇宙に出て、このことを強く感じました。」と述べています。

今なおこの地球では憎しみや、戦いや争いが起こり続け、多くの命が奪われている現実があります。国境をめぐってたくさんの争いが起こっています。

天使が告げるイエス・キリストの誕生は、すべての人に喜びを告げる出来事であり、この地球の中で、生きにくさを感じている人びとに希望を与える出来事でした。そして、今も私たちに喜びと希望を与えてくださっています。私たちの希望は、私たちの視点を現在と過去から未来へと広げ、その未来は必ず、平和をもたらすはずです。

寒さの中でも心温まるこの季節。この地球にあるすべての生命が、平和に満ちた喜びのときを過ごせる生き方をめざしたいと思います。

クリスマスは、プレゼントをもらったり、誰かのことを想ってプレゼントを贈ったり、多くの人にとって、心温まる季節なのではないかと思います。そんなわたしたちが生きるこの世界が本当に豊かになるため、心温まる思いを多くの人びとと一緒に分かち合うために、ぜひクリスマス献金をお献げください。今回のヴォーリズ学園のクリスマス献金は、主に自然災害被災地支援のため、また地域の福祉施設など困難に直面している人々、助けや支えを必要としている人々のところに献げられます。

「何事も利己心や虚栄心からするのではなく、へりくだって、互いに相手を自分よりも優れた者と考え、めいめい自分のことだけでなく、他人のことにも注意を払いなさい。」(フィリピの信徒への手紙2章3節~4節)

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